財政ファイナンスが軟着陸した例はない。日本も財政破綻やハイパーインフレに襲われる

軟着陸はできるのか 日本の公債残高は国内総生産GDP)の250%に達し、これは世界で最悪の水準だ。政府の持つ金融資産を差し引いたとしても、 債務比率はGDPの130%に上る。2016年半ばまでに日銀が購入した国債は、全体額の実に36%を占め、日銀供給通貨量は日本 のGDPの80%にもなる。米国、欧州ともに20%ほどなのに。この日銀の国債購入による大規模な流動性供給は、短期と長期の金 利をともに抑制している。市場での長期国債利回りがゼロないしマイナスとなっている現実は、金融市場が危機感知機能を喪失し ていることを示している。 しかし、これは驚くにはあたらない。市場が近視眼的だった例は、これまでの歴史を見ても枚挙にいとまがない。例えば、後知恵 ではあるが、米投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻とギリシャ債務危機の前、それらの債券価格は明らかに実力以上に買われ ていた。借り手に関する市場の信頼感は、シャルル・ド・ゴール仏大統領がかつて言い放った国際条約と同じなものだったのかも しれない。「バラか若い娘のようなもの、盛りの間だけの生き物」と。 通貨の健全性維持を負託された中央銀行にとって、事実上政府債務を肩代わりすることは、その信認維持とは矛盾する。米国や 欧州、日本の過去の例をみても、「財政ファイナンス」が成功裏に軟着陸した例はまずない。ほとんどの場合ハイパーインフレが 起き、時には政治の混乱を引き起こした。

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